旧武家長屋(安中市)概要: 旧安中藩武家長屋は江戸時代末期に建てられたと推定される建物で、木造平屋建、寄棟、茅葺、平入、外壁は背面は大壁造り、正面は真壁造り、土壁鏝押え、腰壁は下見板張り縦押縁押え、桁行き26間(約47.3m)、梁間3間(約5.5m)、建坪78坪(約258u)の規模を誇ります。
1つ建物の中に4世帯が居住する所謂四軒長屋で(西側のみ間口8間、残り3軒は間口6間)、安中藩(藩庁:安中城)の家臣の中でも比較的家禄が低い者が利用していたと思われます(幕末の武家長屋住民・弓削田發:10扶持・飯島伴四郎:10石、2人扶持・佐藤鎌蔵:8石、3人扶持・小野盛太郎:8両、3人扶持)。
旧武家長屋の内部は土間と3つの座敷から構成されていて、玄関周りや床の間まどは比較的簡易な格式で開口部も小さく生活するにはかなり住み辛い住環境だったと思われます。近年までは改造が進み3軒長屋になっていたそうですが移築保存にあたり明治初期の図面や調査に基づき復元しています(江戸時代には5軒長屋が隣接していた)。
旧安中藩武家長屋は安中市に残る唯一の武家長屋建築の遺構として貴重なことから平成4年(2002)に安中市指定重要文化財に指定されています。近くには旧安中藩の旧安中藩郡奉行役宅だった旧猪狩家住宅も残されておりこの一角は城下町の雰囲気が感じられます。
旧安中藩武家長屋:上空画像
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