旧時報鐘楼(伊勢崎市)概要: 旧時報鐘楼は小林桂助(伊勢崎市三光町出身の貿易商、当時の神奈川県横浜市で薬種商を営んでいた。)の寄贈により大正5年(1916)に建てられた高さ14.56mの建物です。桂助は商才に長けフランスやイギリス、ドイツなど西欧にも販路を求め、日本の政財界にも人脈を広げ渋沢栄一とも交友関係があったようです。その為、地元にも西欧風で象徴的な存在でさらに民衆から喜ばれる施設が求められたようです。
時報鐘楼は鉄筋コンクリート造煉瓦張り、六角形の平面、上部はドーム状の屋根、銅板葺、開口部の上部はアーチ、入口屋根は曲線を採用するなど洋風建築の要素を取り入れ当時の伊勢崎には無い斬新な建物が建てられました。
当初、中台寺(享保12年:1727年以降、城下の略中央に当たる事から、伊勢崎藩主酒井忠告に時の鐘を鳴らす事を命じられた)の釣鐘が掛けられていましたが太平洋戦争時に金属供出され、上部の塔屋も被災しました(その後、寄棟屋根として再建されましたが平成2年:1990年に市制施行五十周年の記念事業として旧態であるドーム屋根に復元された)。
旧時報鐘楼は群馬県内に残る数少ない鉄筋コンクリート造の洋風建築として平成5年(1993)に伊勢崎市指定重要文化財に指定されています(鉄筋コンクリート造の建築としては群馬県最古とされます)。
旧時報鐘楼:上空画像
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