いせさき明治館(黒羽根内科医院旧館)概要: いせさき明治館は明治45年(1912)に今村医院(今村家は江戸時代伊勢崎藩の藩医の家柄)として建てられたもので、木造2階建て、寄棟、瓦葺き、1階床面積86.51u、2階床面積68.14u、延床面積154.65u、設計は阿部石松、棟梁は藤丸兼吉、副棟梁は相崎倉吉、洋風病院建築としては群馬県最古とされます。
外壁はドイツ風下見板張り、ペンキ仕上げ、屋根にはセグメンタルペディメント風ドーマを設え、玄関上部はバルコニーを配し、開口部は縦長の上げ下げ窓を採用するなど当時の洋風建築の要素を取り入れています。
特に道路側は正面性を演出する為、重点的に意匠が集中し、玄関柱の上下には飾りを設け欄間にはガラス、軒下には軒蛇腹で構成され、2階窓の両脇は化粧柱を設え小庇は曲線で妻面にはレリーフ状の意匠が施されています。
いせさき明治館の内部は1階が診療室や薬局、治療室、応接室、待合室、管理室、2階が客間などが配され、外観とは逆で内部は和洋折衷の意匠が数多く見られます。その後は昭和19年(1944)に伊勢崎保健所、昭和22年(1947)に黒羽根内科医院と変遷し、昭和59年(1984)に新館に移るまで病院施設として機能しました。
いせさき明治館(黒羽根内科医院旧館)は群馬県内に残る数少ない明治時代の洋風病院建築として貴重な存在で平成14年(2002)に伊勢崎市に寄贈された事を受け現在地に100m程曳き屋され、伊勢崎市指定重要文化財に指定されています。
いせさき明治館:上空画像
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