旧森村家住宅(伊勢崎市連取町)概要: 森村家は豪農として広大な農地を所有していた有力者で、領主である駒井家の代官職を歴任しました。駒井家は旗本として連取領1800石を領しましたが、旗本は江戸詰が常とされた為、領内の有力者森村家が代官職を担い税の取り立てや治安維持などが行われました。
現在の主屋は明治9年(1876)に再建されたもので、木造2階建、入母屋、桟瓦葺、平入、2階は1階の外壁より前に張り出し梁桁で支える「せがい造」で約千坪の敷地には土蔵(2棟:土造2階建、切妻、桟瓦葺)、長屋、表門(切妻、桟瓦葺、薬医門)、裏門(長屋門、切妻、桟瓦葺、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り)、馬屋などが建てられています。
主屋は享和元年(1801)に建てられた伊勢崎藩陣屋が明治維新後に払い下げとなり、それを森村家が買い取り、取り込んだもので、唐破風屋根の式台付の玄関は陣屋御殿玄関、西側の書院は陣屋御殿書院が移築されています。
その他は柱や梁などの建材として再利用され慶応4年(1868)に発生した打ち壊しで出来た刀傷や藩主が利用した座敷の床の間などが見られます。旧森村家住宅は数少ない伊勢崎陣屋の遺構、明治時代の上級屋敷の遺構として貴重な事から平成15年(2003)に伊勢崎市指定重要文化財に指定されています。
旧森村家住宅:上空画像
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