吉祥寺(川場村)概要: 青龍山吉祥寺は群馬県利根郡川場村門前に境内を構えている臨済宗建長寺派の寺院です。吉祥寺の創建は南北朝時代の暦応2年(1339)、大友氏時が開基となり中巌円月禅師を招いて開山したのが始まりと伝えられています。当時、建長寺派の寺院の中では最北地に位置していたところから建長寺の北の門とも呼ばれ、文和年間(1352〜1356年)には後光厳天皇の勅願所に指定され臨済宗の寺格である諸山に列せられていました。戦国時代の天正年間(1573〜1592年)に兵火によって堂宇が焼失し一時衰退しますが、江戸時代初期の延宝2年(1674)に再建され現在見られるような境内に形づくられていきます。
吉祥寺の現在の本堂は再建当時のもので境内最大の建物で、木造平屋建て、寄棟、銅板葺き、平入、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。釈迦堂(宝泉殿)は寛政2年(1790)に造営されたもので、木造平屋建て、寄棟、茅葺、妻入、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内部には中尊の釈迦如来像、脇侍の文殊菩薩像及び普賢菩薩像が安置されています。吉祥寺山門(川場村指定文化財)は吉祥寺の象徴的な建物で文化12年(1815)に建築、入母屋、瓦葺き、三間三戸、八脚二重楼門、上層部正面には後光厳天皇御染筆の勅額を掲げ内部には木造十六羅漢像が安置されています。
吉祥寺は寺宝も多く木造仏種慧済禅師坐像 、木造広円明鑑禅師坐像 、木造釈迦如来坐像が群馬県指定重要文化財に吉祥寺のヒメコマツ(推定樹齢300年、樹高22m、根元8m)が群馬県指定天然記念物にそれぞれ指定されています。又、境内の金甲稲荷の例祭である「春駒祭り」は群馬県指定重要無形民俗文化財に指定されています。東国花の寺百ヶ寺群馬11番札所。新上州三十三観音霊場第29番(札所本尊:聖観世音菩薩)。関東百八地蔵尊霊場第31番札所。山号:青龍山。宗派:臨済宗建長寺派。本尊:釈迦如来。
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