常広寺(桐生市)概要: 赤城山常広寺は群馬県桐生市新里町山上に境内を構えている曹洞宗の寺院です。常広寺の創建は不詳ですが院号が天正であることから天正年間(1573〜1591年)前後に山上郷右衛門顕将が開基となり開かれたとも云われています。
山上郷右衛門顕将がどのような人物かは不詳ですが、姓から山上城の城主を歴任した山上氏の関係者と推定され、北条氏が没落した後は徳川家康に仕え、慶長5年(1600)の関ケ原の戦いでは伝令役として活躍したようです。
常広寺境内は山上城の城内にある為、山上城が廃城となる天正18年(1590)以降とも考えられます(当時、山上城は小田原北条氏の支配下にありましたが天正18年の小田原の役の際、豊臣秀吉の家臣片桐且元らによって攻められ落城しています)。
常広寺境内に建立されている弁財天堂は江戸時代中期に建てられたと考えられる建物で一間(正確には7尺:2.1m)四方の寄棟造り、銅板葺き、正面に一間の向拝が付いています。欄間の透かし彫りや紅梁は龍の姿に彫刻し、蟇股や軒周りにも精巧な彫刻が施されています。
常広寺弁財天堂は江戸時代中期の御堂建築の遺構として貴重なことから昭和29年(1954)に桐生市指定重要文化財に指定されています。本堂は木造平屋建て、寄棟、銅板葺き、平入、桁行8間、正面1間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山号:赤城山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
常広寺:上空画像
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