有鄰館(桐生市)概要: 有鄰館は群馬県桐生市本町二丁目に位置する施設で、名称の由来は孔子による「論語」里仁の一文「徳は孤ならず、必ず隣有り」に由来しているとされます。大辞林 第三版によると、意味は「徳のある人は孤立することなく、必ずよき協力者にめぐまれる。」とある事から、志の高い人は「有鄰館」で多くの人達と交流し仲間を増やしていこうという事なのかも知れません。
有鄰館の所有者だった矢野本店は江戸時代中期の享保2年(1717)に創業した老舗で、寛延2年(1749)にこの地に店舗を構えると次第に家業を広げ桐生を代表する豪商へ成長していきました。
有鄰館(煉瓦造平屋、切妻、桟瓦葺、構造部が外壁側に張り出し、入口上部は石造のアーチ状になっています。※妻面に設けられたシャッターの搬入口は除く。)は矢野本店敷地内に建てられた煉瓦造り建物を含む11棟の歴史的建築物群の総称でその内5棟(煉瓦蔵・塩蔵・味噌醤油蔵・酒蔵・穀蔵)の建物と氏神、屋敷神である楠森神社、稲荷神社が貴重な事から平成6年(1994)に桐生市指定重要文化財に指定されています。
現在は桐生市町並みの拠点の一つになり、内部ではコンサートや舞台、ギャラリーなど多目的で利用されています。当地域が「桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区」に選定されると、その構成要素に選定され、桐生市の良好な町並みに大きく寄与しています。
有鄰館:上空画像
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