小泉城(大泉町)概要: 小泉城は群馬県邑楽郡大泉町城之内2丁目に位置する中世の城郭です。小泉城の築城は室町時代の延徳元年(1489)、富岡直光よって築かれたのが始まりと伝えられています。
富岡直光は結城朝光から11代後裔の結城久朝の子供とされ、久朝が上野国甘楽郡富岡郷を所領していた事から直光は富岡姓を名乗ったとも云われています。永享12年(1440)の結城合戦により久朝は討死、直光は落ち延びた後、古河公方である足利成氏、政氏父子に仕え上野国甘楽郡の所領を与えられ小泉城の築城に至っています。
以来、小泉城は富岡氏の居城として随時拡張、改修を繰り返し現在見られるような城郭になりました。
戦国時代になると富岡氏は古河公方の没落と越後上杉家の台頭により上杉謙信に従いましたが、上杉家と小田原北条家との同盟(越相同盟)が成立すると、北条家に転じ、それを後ろ盾にして対立関係にあった金山城(群馬県太田市)の城主由良家を攻めています。
天正18年(1590)、小田原の役の際には当主が小田原城(神奈川県小田原市)に籠城した為、残存兵のみで小泉城を守った為、浅野長政を主力とする豊臣軍によって攻められあえなき落城、後に廃城となります。
小泉城は本丸、二の丸、三の丸を中心とした囲郭式平城で、それぞれの郭を高い土塁と水堀で囲っています。本丸北東、南東の隅には櫓台を設け2層から3層の櫓が建て、前後して横櫓を備え四方からの攻撃に対処していたとされます。現在でもそれらの遺構が残っており群馬県内有数の中世の平城跡として昭和54年(1979)に大泉町指定史跡に指定されています。
現在は城之内公園として整備されています。又、小泉城の近くには富岡家の菩提寺である龍泉院や崇敬社だった小泉神社などの史跡が点在しています。
小泉城:上空画像
|