堀口家住宅(渋川市)概要: 堀口家住宅は群馬県渋川市上ノ町に位置している古民家です。堀口家は江戸時代初期の寛永6年(1629)に三国街道渋川宿で創業した老舗金物店です。
その後も金物商として有力商人に発展し江戸時代末期から明治時代初頭かけては地元貨幣である上州鉛銭の鋳造に尽力しています。明治時代以降は、生業である金物業の他にも多くの商品を取り扱う商社のような存在となり、現在は地元の有力企業に発展を遂げています。
堀口家住宅店蔵は江戸時代末期の慶応2年(1866)に建てられた、土蔵造2階建、切妻、瓦葺、平入、建築面積51uの商家建物(町屋建築)です。正面1階部分は下屋庇が前に張り出し、2階の開口部は防火に対して有効な土造の観音扉を採用し、外壁は黒漆喰で仕上げられ棟瓦を高く積むなど格式の高さを感じます。
連接する附属舎は明治29年(1896)に建てられた木造2階建て、切妻、金属板葺き、平屋建ての建物、背後にある物品蔵は土蔵2階建て、切妻、桟瓦葺き、妻入りの建物で腰壁を海鼠壁としています。
堀口家住宅の店蔵・主屋(慶応2年:1866年頃建築、木造2階建、鉄板葺、切妻、建築面積70u)・北蔵(明治30年:1897年建築、土蔵造2階建、桟瓦葺、切妻、妻入、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は海鼠壁、建築面積33u)・南蔵(明治30年:1897年建築、土蔵造2階建、桟瓦葺、切妻、平入、桁行6間、梁間2間半、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は海鼠壁、建築面積48u)・付属屋は江戸末期から明治初期に建てられた商家建築(町屋)の遺構として貴重で「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から平成12年(2000)に国登録有形文化財に登録されています。
堀口家住宅:上空画像
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