雙林寺(渋川市)概要: 雙林寺は群馬県渋川市中郷に境内を構えている曹洞宗の寺院です。雙林寺の創建は室町時代の宝徳2年(1450)、白井城(渋川市白井宿)の城主長尾景仲(山内上杉家の家宰、上野・武蔵守護代文安4年:1447年、剃髪し昌賢入道を号した)が開基となり月江正文禅師(小田原:最乗寺第七世)が開山したのが始まりと伝えられています(月江正文禅師は名僧として知られ尾張楞厳寺や武蔵普門院、補陀寺などの開山に携わっています)。
創建当時は禅師を慕い2千人余の修業僧が集まり「雙林の水を呑まざる者は、禅僧にあらず」とまでいわれていたそうです。以来、歴代領主である白井長尾氏や景仲の外孫にあたる太田道灌などから帰依され、江戸時代には将軍が交代する毎に「城固めの法問」を行い、慶長年間(1596〜1615年)には曹洞宗の僧録職に就くと上野・信濃・越後・佐渡の総取締となり繁栄を極め、雙林寺の直末寺は48ヶ寺を数え、門葉は2千ヶ寺を超えるとも言われています。
雙林寺の朱印地は30石で、周辺地域で朱印地を安堵されたのは空恵寺18石、子持神社20石、源空寺50石だけだった事からも格式が高かった事が窺えます。
雙林寺山門は入母屋、銅板葺、五間一戸、十二脚二重楼門、七不思議の1つ「山門小僧と総門のツル」の「小僧」の彫刻が施されています。総門は唐門、銅板葺、七不思議の1つ「山門小僧と総門のツル」の「ツル」の彫刻が施されています。本堂は木造平屋建て、入母屋、銅瓦棒葺、平入、外壁は真壁造、白漆喰仕上げ。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
雙林寺の七不思議
1:開山の1つ拍子木-深夜拍子木が自然になると不吉な事が起きる。
2:蛇頭水(龍神水)-利用する人数で水嵩が変わる。
3:千本樫-この樫を切ると雙林寺か住職に災難が降りかかる。
4:開山のつなぎカヤ-開山時,カヤの実の数珠を植たら,穴の開いた実を付ける。
5:忠度桜-住職の霊夢に平忠度が立ち,住職がその願いを叶えると,そのお礼に桜の鞭を地面に刺しました。そるとそこから根が生え桜の大木になったそうです。
6:山門小僧と総門のツル-夜な夜な、見知らぬ小僧と大鳥が悪さをするので打撃を加えると山門の像の片腕が無くなり、鶴の足に穴が開いていた。
7:底なし井戸(鏡の井戸)-水面に姿が映らないと即死すると云われています。
雙林寺の文化財
・ 長尾昌賢木像−群馬県指定文化財
・ 木喰仏−像高62.5cm、イチョウ材−享和2年−渋川市指定文化財
・ 山崎石燕の墓−渋川市指定史跡
・ 千本かし−樹高約15m、枝張東西18m、南北20m−群馬県指定天然記念物
・ 大かや−推定樹齢4〜500年、樹高27m、幹周約6m−群馬県指定天然記念物
・ ヒイラギモクセイ−推定樹齢300年、樹高10m−渋川市指定天然記念物
雙林寺:上空画像
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