山ノ上碑(高崎市)概要: 山ノ上碑は群馬県高崎市山名町山神谷に位置しています。山ノ上碑(高さ1.2m・幅0.5m・暑さ0.5m)は金井沢碑(神亀3年:726年・高崎市山名町・国特別史跡)、多胡碑(8世紀後半・高崎市吉井町・国特別史跡)とともに"上毛三碑"に数えられています。隣接する山上古墳の墓碑とされ碑文(4行53文字)には「辛巳歳集月三日記 佐野三家定賜健守命孫黒売刀自此 新川臣児斯多々弥足尼孫大児臣娶生児 長利僧母為記定文也 放光寺僧」と記されています。これより天智天皇10年(681)に放光寺の僧侶長利が母親(黒売刀自:佐野三家(屯倉)の管理者であった健守命の子孫)の為に建てたものだということがわかります。長利の父親は新川臣の子孫である大児臣で、放光寺とは前橋市総社町にある山王廃寺(発見された屋根の瓦の一部に「放光寺」の文字)と推定されています。年代的には上毛三碑の中で最古で、国内的に見ても古墳の建造年代や埋葬人物、埋葬過程、製造者、豪族の系譜が明確に分かる第一級の古代資料として山上古墳と合わせ名称「山上碑及び古墳」として昭和29年(1954)に国特別史跡に指定されています。
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