旧秋元家別邸(館林市)概要: 場所は館林城の旧八幡郭に位置し、建物は明治時代後期に上毛モスリンの重役の別荘として建てられた建てられた建物で、大正時代に旧館林藩主秋元家に所有が移り、秋元家の別邸となりました。木造平屋建て、入母屋、瓦葺き、庭園側がほぼ全面ガラスの引き戸で構成され旧貴族の邸宅として気品が感じられる建物です。
廊下部分が主構造部から張りだし長くなった下屋庇を土縁から伸びる柱で受けています。建物は平屋にしては高く間が伸びるところ下屋庇を設ける事で水平線を強調し緊張感を演出しています。逆に大屋根は若干むくりの附いた瓦葺きで下屋庇の銅板葺きとは対照的で日本建築らしい品位のある印象を受けます。
離れの外壁は下見板張りペンキ仕上げ(白色系)で、出窓の軒下を赤く塗り、縦長の連想窓を採用するなど洋風建築の要素を取り入れた構成で主屋とは対象的な建物になっています。
又、敷地内には昭和5年(1930)に移された秋元家江戸屋敷にあった石灯籠や庭石、大正8年(1919)に毛利教武が製作した「秋元春朝投銅像」などがあります。さらに館林城の本丸跡から発掘された墓石群(五輪塔・宝篋印塔など、佐貫氏関係者の墓碑とも。)がこの地に移され平成9年(1997)に館林市重要文化財に指定されています。
墓石群は、当初は館林城を築城し長い間城主を歴任した赤井氏関係の墓碑と考えられ「赤井氏累代の墓」として指定区分が史跡でしたが、研究の結果大部分が館林城築城前の墓碑形式だった為、現在では赤井氏以前の領主佐貫氏関係者の墓碑と推定され名称が「館林城跡出土墓石群」、区分も市の重要文化財に変更されています。
旧秋元家別邸:上空画像
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