千明元屋敷跡(伊香保温泉)概要: 案内板によると「 伊香保温泉が一般客の利用の温泉となったと考えられる初期の宿跡です。天文年間に長尾氏配下五氏が入部した時、すでに千明氏が湯元を持ち、温泉の支配を行ったと考えられています。 渋川市教育委員会」とあります。
天文年間とは西暦でいう1532年から1555年、武田勝頼が天正3年(1575)の長篠の戦いで負傷した兵士を癒す為に真田昌幸に整備させた石段街(温泉地としては翌年の天正4年:1576年)以前は現在源泉が湧き出ている付近が温泉地の中心だったと思われます。
現在でも温泉旅館を営んでいる千明仁泉亭は創業文亀2年(1502)とされ、武田氏支配の後も7氏だけがが与えられた引湯権を所有し、「大屋」と呼ばれるようになってからも「酉」として小間口(源泉から宿に引き込む木樋間口の広さ)としては最大級の9分7厘を得て伊香保温泉の有力者としての立場を維持しました。千明元屋敷跡は伊香保温泉発祥の地として昭和55年(1980)に渋川市指定史跡に指定されています。
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