本郷埴輪窯址(藤岡市)概要: 本郷埴輪窯址は群馬県藤岡市本郷に位置しています。案内板によると「 明治39年に東京帝国大学教授柴田常恵氏により発見され、昭和18年3月、19年3月に群馬大学教授尾崎喜左雄氏により発掘調査された。埴輪窯は登窯で、長さ5.5メートル、幅1.8メートルの大きさである。中から人物、馬、家、太刀、矛、盾などの埴輪が出土している。昭和19年11月13日、史跡として文部大臣より指定。 藤岡市教育委員会 」とあります。埴輪窯は、所謂古墳に安置される埴輪の製造工場で、当時はそこで働く技術者集団を土師部と呼び、当然この周辺で生活を営んでいたとされ隣接する土師神社は当初は土師部の氏神が祀られていたと思われます(境内には土師部の祖神とされる野見宿禰が相撲の祖でもある為、土俵である「土師の辻」が設けられています)。
周辺には小林古墳群があり、さらにその外側には数多くの古墳が点在し、それらに安置される埴輪がここから供給されていたと考えられています。埴輪窯は段丘の高低差を利用した登窯形式で、形状の円筒状や壁や床面の仕上げとして粘土が張られているなど、古代日本の窯の歴史資料的価値が非常に高い遺跡とされ昭和19年(1944)に国指定史跡に指定されています。現在本郷埴輪窯址は和風の蓋屋内部に保存されています。
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