光恩寺(千代田町)概要: 赤岩山光恩寺は群馬県邑楽郡千代田町赤岩に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。光恩寺の創建は雄略天皇が兄である穴穂皇子(安康天皇)のために建てられた全国九ヶ寺の一つとされます。その後一時衰退しますが弘仁5年(814)に真言宗の開祖弘法大師空海が再興、元亨元年(1321)には後醍醐天皇が兵火で焼失した堂宇を宇都宮氏に命じて再建し700石の寺領を寄進しています。
江戸時代に入ると幕府から庇護され慶安元年(1648)には徳川家光から寺領を安堵されています。何度か火災に見舞われ現在の本堂は明治5年(1872)に再建されたもので、長屋門、庫裏、客殿、石蔵が国登録有形文化財に指定されています。
光恩寺長屋門は江戸時代末期に造営され、明治20年(1887)に荻野吟子の生家の表門として移築されたもので、木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、建築面積83u、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成11年(1999)に国登録有形文化財に登録されています。
光恩寺庫裏は江戸時代末期に豪農の主屋として造営され、明治20年代に移築されてきたもので、木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、妻入、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から平成11年(1999)に国登録有形文化財に登録されています。
光恩寺書院は明治時代後期に造営されたもので、木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、平入、建築面積62u、平成11年(1999)に国登録有形文化財に登録されています。光恩寺石蔵は昭和8年(1933)頃に造営されたもので石造2階建て(大谷石採用)、切妻、桟瓦葺き、平入、建築面積40u、平成11年(1999)に国登録有形文化財に登録されています。
光恩寺は寺宝も多く鎌倉時代初期に制作された阿弥陀三尊像や文永8年(1271)に建立された地蔵画像板碑、元禄元年(1703)の銘がある梵鐘などを所有しています。光恩寺は関東屈指の真言宗の古刹として信仰を広め関東九十一薬師霊場第四十番札所・関東百八地蔵尊霊場第二十一番札所・北関東三十六不動尊霊場第十一番札所にもなっています。山号:赤岩山。宗派:高野山真言宗。本尊:不動明王。
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