延命密院(高崎市吉井町)概要: 上野山延命密院は群馬県高崎市吉井町吉井川甲に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。延命密院の創建は室町時代の延徳2年(1490)に当時の関東管領である上杉顕定が慈尊阿闍梨を招いて開山したのが始まりと伝えられています。
江戸時代に入ると幕府から庇護され、慶安2年には3代将軍徳川家光から寺領安堵の朱印状を賜っています。歴代領主からも庇護され溝口勝信から寺領が寄進されています。当初は延命院と号していましたが、明治時代に入り正覚寺、蓮勝寺、泉福寺を合併した事で寺号を延命密院に改めています。
小高い丘の上に建立され長く緩い石段の参道は情緒を感じます。山門は切妻、桟瓦葺、一間一戸、薬医門(中心付近より少し前に2本の本柱、後方に2本の控え柱)、棟瓦を高く上げ、棟止瓦には鬼瓦が採用され格式が感じられます。
延命密院本堂は明治3年(1870)火災で焼失後の明治28年(1895)に再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、桁行6間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、華美な意匠は見られないものの格式が感じられる重厚な建物です。近くには火打鍛冶職中野孫三郎一族墓(9基)があり昭和62年(1987)に高崎市指定史跡に指定されています。山号:上野山。宗派:真言宗豊山派。本尊:延命地蔵菩薩。
延命密院:上空画像
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