旧猪狩家住宅(安中市)概要: 旧猪狩家住宅は江戸時代に建てられた安中藩(藩庁:安中城)の郡奉行(郡内の警察権や裁判権の執行、代官を従え領内の農民の統治、土木事業、年貢の取り立て)の役宅で、木造平屋建て、寄棟、茅葺、桁行10間(18.77m)、梁間2間半(4.67m)、外壁は真壁造り土壁鏝押え、内部に住居部と公共空間を分ける為、曲屋風な外観をしています。
敷地正面には長屋門(寄棟、茅葺、桁行7間:12.93m、梁間2間:3.64m、外壁は真壁造り土壁鏝押え)を配し、主屋内部には玄関(3畳)は式台付き、座敷(10畳)や上段の間(8畳・床の間)、納戸(8畳)、御勝手(15畳)、中間(下男)部屋(1畳)、土間なども設え、素朴ながらも格式があり当時の地方武家屋敷の一端を見ることが出来ます。
江戸時代末期(1820〜1863年)から猪狩幾右衛門懐忠(猪狩家の前任は板倉勝明の側近、山田三郎とされます。)が郡奉行となり近年まで猪狩家が所有していましたが安中市に寄贈、この事を機に復元保存されることになりました(正面道路の拡幅工事の為、南側に6m移動、その際、古図面と調査結果を参考にして旧態に近い形で復元されています)。
旧安中藩郡奉行役宅(旧猪狩家住宅)は江戸時代後期に建てられた安中市に残る数少ない武家屋敷の遺構として貴重な事から平成4年(2002)に安中市指定重要文化財に指定されています。近くには安中藩時代の武家長屋が残されておりこの一角は城下町の雰囲気が感じられます。
旧猪狩家住宅:上空画像
長屋門を簡単に説明した動画
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