横川茶屋本陣(安中市)概要: 横川茶屋本陣は中山道の横川にある施設です。 横川は所謂正式な宿場町でなかった為、本陣や脇本陣、旅籠などは設置する事は許されませんでしたが、中山道の中で最も重要視された碓氷関所を控えていた事もあり茶屋本陣が設けられました。当主は代々横川村名主を勤め江戸時代末期には坂本宿の助郷惣代を務めた武井家が歴任しています。茶屋本陣は本陣に準じる施設で大名や公家など身分が高い人物が休息(原則宿泊は出来ない)で利用した為、格式や意匠も細かく定められ、天井の高く床の間や違い棚を設けた上段の間(8畳)や控えの間(2間)、畳敷きの廊下などが設けられ風情のある庭園が旅の疲れを癒しました。建物は木造2階建、切妻、銅板葺、正面2階部分が前に張り出し、その床を支える為、1階の梁桁を外部まで延長する所謂、出桁造りで全面に手摺を回すなど当時の様子が色濃く残っています。住居部と本陣部は一棟にまとめられ見た目には分かりませんが、住居部が2階建なのに対し、本陣部は上段の間の天井が高い為平屋建となっています。横川茶屋本陣は数少ない中山道の遺構として貴重な事から昭和33年(1958)に群馬県指定史跡に指定されています。
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