不動寺(安中市)概要: 龍本山松井田院不動寺は群馬県安中市松井田町松井田(中山道松井田宿)に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。不動寺の創建は寛元元年(1243)、慈猛上人によって開かれたのが始まりと伝えられています(伝説では慈猛上人が当地に差し掛かると突然大雨となり、大きな龍が上空へと駆け上がり、地面から泉が湧出たと伝えられています)。
慈猛上人は鎌倉時代の高僧で慈猛意教流の開祖、下野国薬師寺(栃木県下野市)や鶏足寺(栃木県足利市)を中興し後深草天皇より「留興長老」の号を賜っています。
院号である「松井田院」は不動寺に伝わる古文書の中に「境内老松のもと泉(井)あり、そそいで民田に到る」との記述があり、これが院号の起因となり、地名「松井田」の由来になったと伝えられています。戦国時代には武田信玄が篤く帰依し祈願所として元亀から天正年間(1570〜1593年)に寺領の寄進を受けるなど寺運も隆盛し最盛期には末寺は17ヵ寺に及び大きな影響力を持つ大寺だったとされます。
江戸時代に入ると幕府から庇護され三代将軍徳川家光から朱印地89石6斗を賜り、元禄9年(1696)には5代将軍徳川綱吉から200両賜り仁王門を再建しています。
現在の不動寺仁王門はその当時のものと推定される建物で、切妻、こけら葺き、三間一戸、八脚の単層門、全体が朱色で彫刻部が極彩色で彩られ、江戸時代初期の寺院山門建築の遺構として貴重な事から昭和33年(1958)に群馬県指定重要文化財に指定されています。
参道にある観応3年(1352)に建立された3基の石塔婆は安山岩の自然石で仏種子や文字などが彫り込まれ、南北朝時代の異形板碑として貴重な事から昭和33年(1958)に群馬県指定文化財に指定されています。
不動寺が所有している寺宝の木彫不動明王像は平安時代末期から鎌倉時代初期に京都か奈良の仏師が製作したと推定される仏像で総高26.2cm、桧材、寄木造、当時の仏像の中でも傑作とされ昭和33年(1958)に群馬県指定重要文化財に指定されています。
現在も信仰が広く関東八十八ヵ所霊場第2番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:そのかみは いくよひぬらん たよりにも ちとせはここに まついだのしゅく)、北関東三十六不動尊第四番札所(札所本尊:不動明王)、新上州三十三観音霊場第二十一番札所、にも選定され多くの参拝者が訪れています。山号:龍本山。宗派:真言宗豊山派。本尊:千手観世音菩薩(伝:行基菩薩作)。
不動寺:上空画像
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