旧生方家住宅(沼田市)概要: 旧生方家住宅は沼田城の城跡の一角に屋敷構えている古民家です。生方家は江戸時代、沼田藩の薬種御用達として財を富み豪商として知られていた家柄です。
現在の建物は元治、明治、大正、昭和に改修が行われたものの主要部分は工法や構造、大部分手斧で仕上げられている事などから17世紀末期頃に建てられたと推定されています。木造2階建、切妻、妻入、石置板葺、桁行10間(18.94m)、梁間6間(11.364m)、屋根先端には雀おどし風の棟飾りが設えられ、長野県で良く見られる本棟造の民家に似ています。
旧生方家住宅の外壁は真壁造で構造材が外部に見え、壁部は白漆喰によって仕上げられ、正面2階は印象的な格子戸、1階には下屋庇が設けられ左側の通庭(建物内部に取り込んだ土間の通路)以外は店として大きく開放されています。
旧生方家住宅は古式の民家の工法を継承している為、壁が多く柱間も短いのが特徴で、平面的な間取りも当時の商家(町家)建築の典型的配置となっています。内部は正面南側が店舗となる「上みせ」「下みせ」が配され敷地背後まで「通り庭」と呼ばれる土間の通路が通り、「通り庭」に張り付くように4部屋が並んでいます。
旧生方家住宅は江戸時代初期に建てられた数少ない大型豪商建築の遺構として大変貴重な事から昭和45年(1970)に国指定重要文化財に指定されています。当初は商家が建ち並ぶ沼田市上之町にありましたが昭和48年(1973)に生方家から譲り受け、現在地である沼田城の跡地に移築保存され一般公開されています。
旧生方家住宅:上空画像
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