高平の書院(沼田市)概要: 高平の書院は群馬県沼田市白沢町高平に位置しています。高平の書院は江戸時代初期の慶安2年(1649)、当時の沼田藩(藩庁:沼田城)の藩主真田信政が周辺の新田開発や町割りなどを行う際、本陣として設置された施設で、以後も沼田藩主が領内巡視や鷹狩りなどで付近に来ると休憩所に利用しました。
往時は藩主の本陣として広大な敷地に7棟の建物があったとされますが、明治4年(1871)に執行された廃藩置県により沼田藩が廃藩になると維持する事が困難になった為、規模が縮小され唯一書院だけがのこされました。
現在の建物は江戸時代中期に再建されたと推定されるもので、木造平屋建て、切妻、桟瓦葺、外壁は真壁造り、内部は主室(8畳、平書院付)、次の間(8畳、床の間付)、室(4.5畳・6畳)に別れ、各所に数寄屋造風の意匠や工法が見られ、群馬県内屈指の書院建築と評価されています。
高平の書院は江戸時代中期の書院建築の遺構として貴重な事から昭和59年(1984)に群馬県指定重要文化財に指定されています。
又、敷地内には推定樹齢約400年の五葉マツがあります。五葉マツは真田信政がこの地へ訪れた際書院の庭木として植樹されたものと伝わる由緒あるマツで、樹高18m、目通り幹周2.5m、当地域を代表する古木巨木として貴重な事から昭和44年(1969)に群馬県指定天然記念物に指定されています。
高平の書院:上空画像
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