観音寺(桐生市)概要: 不老山薬師院観音寺は群馬県桐生市川内町5丁目に境内を構えている天台宗の寺院です。観音寺の創建は不詳ですが天正年間(1573〜1593年)、金山城の城主である由良家の家老を務めた田村佐渡守利興が隠居した際に一宇を設けたのが始まりとされます。
寛永4年(1627)に比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)の僧実呼が寺院を再興し寛永5年(1628)に寺号である「不老山薬師院観音寺」を天海上人(徳川家康の側近の1人、江戸幕府初期の宗教関係の実力者)より授かったそうです。幕府から庇護され安永元年(1772)には10代将軍徳川家治から寺領14石2斗が安堵され近隣の山林を賜っています。
現在の観音寺山門はその当時に建立されたと推定されている建物で(天明元年:1781年に観音寺は火災により境内の多くの建物が焼失しましたが山門だけは奇跡的に無事だったとされます)、切妻、茅葺、一間一戸、四脚門、桐生市内では最古級の建築として平成3年(1991)に桐生市指定重要文化財に指定されています。
境内にある石幢(高さ150cm)は永正9年(1512)に制作されたもので、銘文には「大日本国上野州山田郡須永郷下仁田庵住」、「奉為逆修功徳主妙春霊位」、「于時永正九天壬申三月五日啓白」と刻まれて制作年代だけでなく当時の地名なども解る歴史的資料としても価値があるものとして昭和41年(1966)に桐生市指定重要文化財に指定されています。山号:不老山。院号:薬師院。宗派:天台宗。本尊:千手観音菩薩。
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