賀茂神社(桐生市)概要: 賀茂神社は群馬県桐生市広沢町六丁目に鎮座する神社です。賀茂神社の創建年の詳細は不詳ですが崇神天皇(第10代天皇・在位:紀元前97〜紀元前30年)の時代に豊城入彦命(崇神天皇の第1皇子・上毛野君や下毛野君の始祖)が東国鎮護のため山城国に鎮座する賀茂別雷神社の分霊を勧請したのがはじまりと伝えられています。
一方、境内背後には賀茂山祭祀遺跡や神籠石がある事から古代から自然崇拝的な信仰が原点となった神社かも知れません。格式も高く延暦15年(796)に官社に列せられると元慶4年(881)には正五位下勲十二等を授かり、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社として記載されています。
賀茂神社は平安時代に上野国(現在の群馬県)の有力神社を列記した上野国神名帳に「従一位賀茂大明神」として記載され上野国十二社のうち一社に数えられました。
以来、賀茂神社は周辺住民だけでなく歴代領主にも崇敬され平安時代後期の天喜年間(1053〜1058年)に奥州(現在の東北地方)で発生した前九年合戦の折には、源義家が戦勝祈願の為当社を訪れ無楽を奉納したと伝わっています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て郷社に列しています。
賀茂神社の境内は古墳跡で社宝にはそのこから出土した古鏡や祭器、高杯などがあり、特殊神事である御篝神事は毎年節分(2月3日)に神事に参加する氏子が白装束に着替え、自分の厄災を人型の半紙に移し厄払いを行うもので、平成3年(1991)に桐生市指定重要無形民俗文化財に指定されています。
太々神楽は文化12年(1815年)に飯塚伊豆正が発起し、式舞十二座、狂舞十二座で構成され、毎年春(4月14〜15日)、秋(10月15日に近い日曜日)の例祭に奉納されるもので、古式を伝える神事として貴重な事から昭和49年(1974)に桐生市指定無形民俗文化財に指定されています。
賀茂神社境内を神域だった事から古木、大木が多く、特にモミの大木3本は貴重なものと評価され、名称「賀茂神社のモミ群」として平成20年(2008)に群馬県指定天然記念物に指定されています。
賀茂神社石灯籠は南北朝時代の永和4年(1378)に奉納されたもので高さ210cm、安山岩製、大工孫太郎作、制作年が明確な石造物としては桐生市最古として貴重な事から平成8年(1996)に桐生市指定重要文化財に指定されています。
賀茂神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、外壁は真壁造り素木板張り。本殿は一間社流造、銅板葺、外壁は弁柄色、壁面や、衝立、向拝部には精緻な透かし彫りが施されています。祭神:御祭神:別雷神。合祀神:玉依姫命、経津主神、武甕槌神、建御名方神、素盞嗚命、白滝姫命、宇迦之御魂神など。
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