群馬会館(前橋市)概要: 群馬会館は昭和天皇即位の記念事業として昭和5年(1930)11月に建てられた群馬県初の公会堂建築です。群馬会館の建物は鉄筋コンクリート地上4階、地下1階、建築面積1319u、外壁は1階部分が石張りで、2階から上部がスクラッチタイルとモルタル仕上げを交互にし、特に柱型を強調する事で建物をより立体的に見せています。
1階の主要開口部の上部はファンライトと呼ばれる半円形の欄間を取り付け、2階から上部は縦長の窓を採用し最上部には多角形の印象的な飾り窓にステンドクラスのような意匠ガラスが嵌め込まれています。
群馬会館の屋上部の軒下部分には蛇腹が廻り、パラペットは手摺子風の縦格子の意匠でベランダのようになっています。玄関ポーチ上部のパラペットは輪を繋げ合わせ連続させる独特の意匠で、中央3階の外壁には大きな時計が嵌め込まれた上、レリーフが施され建物の正面性を演出しています。
内部は大収容の多目的ホールの他、広間や会議室などがあり現在も現役な施設として多くの市民から利用されています。設計は佐藤功一(建築家:早稲田大学建築科開設者、代表作として大隈記念講堂や岩手県公会堂、日比谷公会堂、米子市庁舎など)。施行は井上工業。
群馬会館は昭和初期に建てられた近代建築の遺構として貴重で、「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしていることから平成8年(1996)に国登録有形文化財に登録されています。
群馬会館:上空画像
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