元景寺(前橋市)概要: 気雲山春光院元景寺は群馬県前橋市総社町植野に境内を構える曹洞宗の寺院です。元景寺の創建は天正18年(1590)総社藩の初代藩主秋元長朝が父親である秋元景朝の菩提を弔うため自然玄悦禅師を招いて開創したのが始まりとされ、寺号は景朝の戒名「春光院殿気山元景大居士」から気雲山春光院元景寺と号するようになりました。境内は勝山城跡地で長朝は隣接した場所に総社城を築き居城とします。寛永10年(1633)に2代泰朝は1万8千石で甲斐国谷村へ移封となり総社藩は廃藩となりましたが元景寺はこの地に留まっています。
境内には景朝夫妻の墓所の他の墓や前橋市最古とされる石仏(薬師如来)、浅間山爆発の被害者の供養塔などがあります。
又、伝承によると慶長20年(1615)大坂夏の陣の際、秋元長朝が徳川軍として従軍、偶然にも淀君(浅井長政の息女・豊臣秀吉の側室、豊臣秀頼の生母)を助け出し総社まで連れ帰ったそうです。暫くの間淀君は「お艶」と名乗り大事にされていましたが、結局、生活にも馴染めず利根川に身を投じたと伝えられています。
元景寺境内には「お艶」の墓碑(戒名:心窓院殿華月芳永大姉)が建立されている他、淀君が着ていたと伝わる内掛け、籠などが伝わり、利根川の河原には「お艶が岩」と名づけられた大岩があります。
元景寺の境内にある秋元氏墓地(秋元景朝夫妻の墓所)は貴重な事から、秋元家歴代の菩提寺である光厳寺の境内(宝塔山古墳)にある秋元氏歴代墓地と共に昭和56年(1981)に前橋市指定史跡に指定されています。
元景寺山門は切妻、桟瓦葺き(鯱付き)、一間一戸、薬医門形式。本堂は木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺き、平入、正面1間唐破風向拝付き、内陣には本尊となる釈迦如来像が安置されています。山号:気雲山。院号:春光院。寺号:元景寺。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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